Abstract​

AIサーバーおよびデータセンターでは、大量のデータを処理・解析するために高性能コンピューティングと高速通信が要求されます。この環境下ではCPU、GPU、ASICなど多数の高性能ICが適用され、発熱量が増加するとともに高演算処理時に大きな電流変動が発生します。超高容量MLCCは高周波ノイズのデカップリングおよび電力ピーク対応向けに適しています。AIサーバーの多様なApplicationに適用可能なサムスン電機の超高容量MLCCをご紹介します。​

① 高温／超高容量MLCCの適用 、CPO Switch（Co-Packaged Optics Switch）​

CPO Switchは従来の光学部品とネットワークスイッチチップを一つのパッケージに統合し、データセンターや高性能コンピューティング環境で超高速データ伝送を実現します。この際、追加の光学エンジンによる温度上昇および消費電力増加が発生するため、超高容量、X7以上の高温MLCCが要求されます。 ​

(Suggestions : CL32X337MSVN4S#, CL31X227MRKNNW#, CL32Z227MSVN4S#, CL31Z107MRKN4N#)

② 厚み制約のあるPCIe Card / OAM Socket、220㎌ 超高容量MLCCの提案​

PCIe Card（Peripheral Component Interconnect Express Card）は高速データ伝送をサポートし、大容量データを高速に転送します。グラフィックカード、ストレージデバイス、ネットワークアダプタ、AI accelerator など多様な構成要素に対して高電力・高速処理を提供し、これらの構成要素は電源安定性確保のため多数の高容量MLCCを必要とします。

Figure2のようにAIサーバーに多数のPCIeカードを搭載する場合、搭載スペース制約および発熱を考慮してThickness 2.0 mm以下の超高容量MLCC（CL31X227MRKNNW#、CL31A227MQKNNW#）を提案します。​

OAM Socket（Open Compute Project Accelerator Module Socket）は、AI/ML演算用GPUやカスタムASICなど高性能モジュールのためのインターフェースであり、Accelerator ModuleでカスタムASICを使用時、性能・電力費（Performance per Watt）の最適化や不要回路の削減によるメモリ近接配置が可能になります。ただし、カスタムASICは高速演算のため多数のスイッチング回路を内蔵しており、これらは急峻なTransient Currentを発生させます。こうした電流の急変に対応するため、デカップリングによる高周波ノイズ除去および電圧安定化を目的とした高容量MLCCが要求されます。​

Figure3のように、OAM PCBのLand Sideに多数の超高容量MLCC（3216mm / 1.9 t, 220㎌, 4Vdc, X6S）CL31X227MRKNNW#、（3216mm / 1.9 t, 220㎌, 6.3Vdc, X5R）CL31A227MQKNNW#を搭載可能であり、従ってスペース効率化に寄与します。​

サムスン電機はAIサーバーおよびデータセンターで求められるMLCC高容量ニーズに応え、高品質な信頼性と安定した電気的性能を備えた超高容量MLCC（3216～3225mm、100～330㎌）を量産しています。​